東京都手話サークル連絡協議会(都サ連)は、東京都の手話サークルが集まり、交流や情報交換をしながら、関連団体と連携をとりつつ、東京の聴覚障害者福祉について、議論をし、問題点を共有し、運動を行っていく団体です。
代表 高田 直樹(手話サークルまちだ)
東京都手話サークル連絡協議会(都サ連)は、東京都内の手話サークルの恒常的交流と質的発展を図り、聴覚障害者集団との連帯を強めて行くことを目的として活動を進めてきました。
昭和52年の都サ連創設から代表は石川芳郎氏、森谷誠氏、村松直人氏と続きました。三人の代表は東京都聴覚障害者連盟と密接に関わり、積極的に都サ連をリードされてきました。昨年度は代表が不在の一年で、聴覚障害者団体からは何故代表が決まらないのかとの質問が出るなど、返答に困った面もありました。
本年2月の都サ連代表者会議で突然推薦を受け、いろいろと悩みましたが、「手話サークルまちだ」から承認をもらい、4月27日の都サ連総会で代表に選出されました。
お三方の時代は、聴覚障害者の社会参加のための運動やろう重複障害者の施設たましろの郷建設のための運動等、ろう運動が大変充実していた時期ではないかと思います。
最近の都サ連の状況は、加盟サークル数は年々減少しています。3年前には44だった加盟サークル数が、昨年は35、今年度は32と年々減少し続けています。この原因はいくつか考えられます。
各区市でサークルの統一が進みサークル数が減少していることもその一つです。また会員数の減少で会員一人当たりの分担金の負担額が増えること、都サ連の運動そのものが見えづらくなってきていることなども原因の一つではないでしょうか。さまざまな理由があると思いますが、加盟サークル数の減少に歯止めがきかず、事務局会議での話し合いももっと仲間集めをしなければ大きな運動に繋がらないのではないかとの意見も出されています。
都サ連内の事務局員や専門委員を募集してもなかなか立候補する人がいません。都サ連から実行委員が出ている行事、たましろフェスタ・自立支援センター祭り・耳の日記念文化祭などの要員集めにも苦慮しているのが現状です。事務局の中では、個人会員や学生サークルを都サ連の仲間に入ってもらい、運動の幅を広げたらどうかという意見もあります。
現代社会はインターネットの普及や通信機器の発達により、聴覚に障害をもつ人たちへの新しい情報の提供がされていますが、現実の社会の中ではまだまだ多くの問題があります。
例えば「参政権が基本的人権に関わる大きな問題でありながら、政見放送を見ても字幕や手話通訳がなく、話している内容が分からなかった。」、「災害時での緊急放送が聞こえずに、災害現場に取り残されてしまった。」、「大学に入学したけれども、先生の話が全く聞こえずに学習が遅れてしまった。」等まだまだ様々な問題があります。
2006年12月、国連で障害者の権利条約が採択され、2007年9月、日本でも高村外務大臣が署名しました。2008年4月3日、エクアドルが批准し、批准国20カ国に達し、5月3日、障害者の権利条約は発効しました。国内法の整備もありますが、日本がこの障害者の権利条約を批准すれば障害のある人の生活も大きく変わると思います。
一人ひとりの力は微々たるものでも、その力を合わせれば必ず大きな運動に繋がると信じています。これからは自分の地域の問題を考えるだけではなく、障害を持つ人の完全参加と平等を目指し、一緒に運動の輪を広げて行きましょう。
2008年7月1日
役職 | 氏名 | 所属サークル |
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代表 | 高田 直樹 | 手話サークルまちだ |
事務局長 | 三村 和成 | めぐろ手話の会 |
会計 | 山田 恵理子 | 手話サークルたんぽぽ |
活動 | 説明 |
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東京都 聴覚障害者 福祉対策会議 |
東京都の主だった聴覚障害者団体が集まって、東京都の聴覚障害者運動に関して情報交換を行い、運動方針などについて議論をしている会議です。関連会議として、各地域のろう協が集まって情報交換を行う地域担当者会議があります。 |
東京都 聴覚障害者 参政権保障委員会 |
聴覚障害者の参政権について情報交換を行い、議論を行う委員会です。 |
たましろの郷 後援会 運営委員会 |
都サ連はろう重複者生活就労施設『たましろの郷』をバックアップする後援会の運営委員会に参加しています。たましろの郷建設前から、運動に深く関わっています。 |
東京 聴覚障害者 自立支援センター運営委員会 |
東京聴覚障害者自立支援センターの運営委員会です。 |
耳の日記念文化祭 実行委員会 |
毎年耳の日に開催される、耳の日記念文化祭の実行委員会に深く関わっています。毎年多数の都サ連加盟サークルメンバーに、お手伝いしていただいています。 |
自立支援センターまつり 実行委員会 |
毎年海の日に開催される、自立支援センターまつりの実行委員会です。都サ連は、主に福引きとスタンプラリー、および会計をお手伝いしています。 |
たましろフェスタ | 毎年開催されるたましろフェスタでは、加盟サークルの多くのメンバーの方にお手伝いをしていいただいています。 |
活動 | 説明 |
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代表者会議 | 2ヶ月に1回、加盟サークルの代表者あるいは都サ連担当が集まり、交流・情報交換・いろいろな議論を行っています。 毎年4月の会議は、総会として、都サ連役員の選出および活動方針の議決を行っています。 |
都サ連通信の発行 | 2ヶ月に1回の代表者会議に合わせて、都サ連通信の発行を行っています。 |
お知らせの配信 | 毎月1〜2回、加盟サークルに対して、最新の情報を配信しています。 |
研修会 | 1年に1〜2回、自主研修会を開催しています。研修内容は、その時々の運動に即したものから落語などのエンターテイメントまで、幅広い内容になっています。 |
規約はPDFファイルです。PDFファイルを閲覧するには、Adobe社のAdobe Reader(フリーソフト)が必要です。
Adobe Readerの最新版は、以下のサイトよりダウンロードしてください。
年 | 出来事 |
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昭和38年 | 京都で全国最初の手話サークル「みみずく」誕生 |
昭和42年 | 東京で最初の手話サークル「てまねを学ぶ会」誕生。 立ち会い演説会に始めて手話通訳が付く(中野区) |
昭和46年 | 東京の各区・市で手話講習会が開始される。 その後講習会修了者を中心に各地で「手話サークル」結成 |
昭和52年 | 2月16日東京都手話サークル連絡協議会結成集会が杉並で開かれる。 22サークルが加盟。 代表:石川芳郎氏、会計:山田照子氏、事務局長:石原茂樹氏 |
昭和53年 | 全日本ろうあ連盟「手話サークルに対する基本方針(案)」発表。 全国各地で「手話サークルの運営に関して」の議論が起こる。 東京の三多摩地区を中心に活動していた手話サークルが、 「三多摩手話サークル連絡会(三手連)」を結成 |
昭和54年 | 関東地区ろうあ団体連合会から、「手話サークルへのろうあ者の参加、及び全通研支部作りについて」(通達)が出される。 |
昭和55年 | 関東地区ろうあ団体連合会から、「手話サークルの連帯組織強化策と全通研東京支部結成に対する基本方針(案)」が出される。 都サ連と三手連が統一される。東京支部結成。 |
昭和58年 | 森谷誠氏が都サ連代表になる。 |
平成2年 | 全日本ろうあ連盟「手話サークルに対する指針」発表。 |
平成13年 | たましろの郷起工。 |
平成14年 | 村松直人氏が都サ連代表になる。 たましろの郷オープン。 |
平成17年 | 障害者自立支援法 成立。 |
平成18年 | 障害者自立支援法 施行。 都サ連加盟サークル43 |
平成19年 | 都サ連加盟サークル35 |
平成20年 | 高田直樹氏が都サ連代表になる。 都サ連加盟サークル32 |
平成21年〜22年 | 都サ連加盟サークル30 |